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風に吹かれるままつらつらと。


by atuko-k
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その後どうなったんだろう?

実は

ring-ok07さんが今教育実習に行かれているそうで、
私もその昔行ったときのことを思い出しました。

大学4年の5月、もうみんな真剣に就職活動を始めていた最中に
自分が卒業した高校へ教育実習に行きました。
高校のとき、理系にいたにもかかわらず数学がとんでもなく苦手だったのに、
なんと数学の教免を取得するために高校に数年ぶりに行き、
なんと自分のクラス教官だった先生が担当教官で、
「おまえ、何で数学?」などといわれる始末^^;

そんな中実習が始まったわけですが、
最初っから授業させられ、てんやわんやでした。今思い出しても冷や汗が・・・

今では何を教えたのか思い出せないけど、二年生の文系3クラスを受け持ったので
毎日夜遅くまで予習していました。
プリントを作ったり、宿題を考えたり・・・

一週間たったころからみんな懐いてくれて、
休み時間など遊びに来てくれるように。
イヤー私も高2の時ってこんなに幼かったっけ?と思うほど幼く見え、
でもそれがまたかわいくて仕方が無かった。

もう終わりに近くなった頃、私達実習生が控えていた部屋に、
放課後一人の女の子がたずねてきました。

「どしたい?」
「先生・・・相談があるの」

聞くと、その子は演劇部に所属していて、高校を卒業したら演劇を本格的にやりたいのに、
親や先生は、とりあえず大学か専門学校へ行きなさいという、と。
一応進学校だったので、高校卒業してすぐに働く人が少ないという状況もあったので
親や先生もそういったのかもしれない。

話している最中で泣き始めてしまい、私もどうしたらよいのかわからなかった。

私には、大学に入ってわかったことがあった。
それは、
「興味も無く、ただ滑り止めとして偏差値があうというだけで大学や学部を選んだ人は
入学してからもどうしたらよいかわからず悩んでいる」
ということ。
だから、この直前にあった2年生だけ集めた学年集会で
実習生が一言づつ生徒に発言する場を与えられたときに、
「みんな来年受験であせっていると思うけど、偏差値だけで大学や学部を選ぶな」と言った。

それは本当に感じていたので、親や先生の事も考慮しつつその子に言った。
『あなたの人生はあなたのもので、あなたがやりたいと強く思っていることを
 だれも止めることは本当はいけないと思うよ。
 でも、親や先生もあなたよりたくさん年数を生きてきてわかっていることや思うことがあって、
 だからこそあなたにつらい目にあって欲しくなくて、
 大学か専門学校に行きなさいって言っていると思うんだ。
 もう高校2年生で、半分大人だよね。
 親や先生がそうやって言うことも、あなたがやりたいと思うことも考えつつ、
 それでも演劇を絶対やりたい!と思うんだったら、素直にそう言ってご覧。
 気持ちが強ければ、絶対わかってくれるよ。
 でももしも大学か専門学校へ行かなければならないってなったとしても、
 時間はたっくさんあるよ!学校行きながらだって演劇できるよ。
 学校行くことによって初めて知ることもたくさんあったよ。
 まだ(進路を決めるまで)一年も時間あるし、ゆっくり考えてご覧」

最初は泣きながら気持ちを吐き出していたその生徒も、泣きながら笑ってくれた。

そして、私が実習を終えた最後の日、その生徒がまた控え室に来て、
私にコーヒーカップをくれた。

そのコーヒーカップは今でも会社で使っています。
ちょっと欠けちゃったけど、接着剤でくっつけて。
それを見るたびにこの話を思い出すのです。

あの子、今何してるのかなぁ・・・?
by atuko-k | 2004-06-08 00:08 | Trackback